団体交渉の実施にあたって

 組合は、定期的に大学側と団体交渉を行っています。交渉内容はあらかじめ執行委員会等で検討をし、必要に応じて事前交渉をし、本交渉(学長、理事)を行います。
 部局段階での解決が望ましいと考えられる案件は、部局との交渉を行うことを基本としますが、部局での解決が難しいと思われるものや、部局での交渉が難しい場合も、本交渉を行います。
 そのため、交渉に持ち上げたい案件は、あらかじめ「ご意見・労働相談・加入」メニューの登録フォームでお知らせください。



 なお、大学は2012(H24)年7月から2014(H26)年3月の給与・退職金の一方的削減に対し、2014(H26)年5月に東京都労働委員会から、「賃金・退職金の削減は重要な労働条件の変更であることを認識するとともに、提案にあたっては、予算・決算の使途を詳細に検討し、事業計画の組み替えなどの検討経緯やその結果を説明できるように資料を用意して組合との団体交渉に臨むこととし、団体交渉が実りあるものとなるよう努力する」こと、という勧告を受けています。同時に、「大学は時間的な余裕をもって、組合との合意を目指し誠実に協議するとともに、交渉当事者として良好かつ円滑な労使関係を維持させるべく努力するよう要望する」という労働委員会の要望を受けています。詳細は、「労働委員会の勧告」メニューでご覧ください。
 

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2015/07/24

7/23 学術会議「教員養成・人文社会科学系のあり方」声明

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日本学術会議幹事会声明 「これからの大学のあり方-特に教員養成・人文社会科学系のあり方-に関する議論に寄せて」
文部科学大臣は、去る6月8日、各国立大学法人に対して、「国立大学法人等 の組織及び業務全般の見直しについて」の通知 1を行った。そこでは、国立大学 法人の組織の見直しに際して「特に教員養成系学部・大学院、人文社会科学系 学部・大学院については、18 歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、 国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社 会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」とさ れている。このことがわが国における人文・社会科学のゆくえ、並びに国公私 立を問わず大学のあり方全般に多大な影響を及ぼす可能性について、日本学術 会議としても重大な関心をもたざるをえない。
1.日本学術会議は、先に公表した「第5期科学技術基本計画のあり方に関す る提言」(平成27年2月27日)2において、現代社会における人文・社会科学の 役割について、次のように指摘した。
「今日、社会が解決を求めている様々な課題に応えるために、自然科学と 人文・社会科学とが連携し、総合的な知を形成する必要があるとの認識はか つてなく高まっている。その際、現在の人間と社会のあり方を相対化し批判 的に省察する、人文・社会科学の独自の役割にも注意する必要がある。自然・ 人間・社会に関して深くバランスの取れた知を蓄積・継承し、新たに生み出 していくことは、知的・文化的に豊かな社会を構築し次世代に引き継いでい くことに貢献すべき科学者にとって、責任ある課題であることを認識しなけ ればならない。」このように、総合的な学術の一翼を成す人文・社会科学に は、独自の役割に加えて、自然科学との連携によってわが国と世界が抱える 今日的課題解決に向かうという役割が託されている。このような観点からみ ると、人文・社会科学のみをことさらに取り出して「組織の廃止や社会的要 請の高い分野への転換」を求めることには大きな疑問がある。

2.大学は社会の中にあって、社会によって支えられるものであり、広い意味での「社会的要請」に応えることが求められている。このことを大学は強く認識すべきである。しかし、「社会的要請」とは何であり、それにいかに応えるべきかについては、人文・社会科学と自然科学とを問わず、一義的な答えを性急に求めることは適切ではない。具体的な目標を設けて成果を測定することになじみやすい要請もあれば、目には見えにくくても、長期的な視野
 に立って知を継承し、多様性を支え、創造性の基盤を養うという役割を果たすこともまた、大学に求められている社会的要請である。前者のような要請に応えることにのみ偏し、後者を見落とすならば、大学は社会の知的な豊かさを支え、経済・社会・文化的活動を含め、より広く社会を担う豊富な人材を送り出すという基本的な役割を失うことになりかねない。
 
3.教育における人文・社会科学の役割はますます大きなものとなっている。 例えば、「グローバル人材」の養成が時代の要請として語られているが、「グ ローバル人材」とは単に国際的な競争力をもつ人材というだけでなく、人類 の多様な文化や歴史を踏まえ、宗教や民族の違いなど文化的多様性を尊重し つつ、広く世界の人びとと交わり貢献することができるような人材でなけれ ばならない。そうした人材育成において欠かすことができないのは、英語な どの外国語の能力とともに、我が国及び外国の社会、文化、歴史の理解をは じめとする人文・社会科学が提供する知識とそれらに基づいた判断力、そし て批判的思考力である。また、文系の学生に対しても最低限の科学・技術リ テラシーが求められるのと同様に、理系の学生にとっても理系の知が働く人 間的・社会的文脈についての理解が不可欠であることは、科学・技術に関わ る近年の様々な出来事が示すとおりである。総じて、現代世界において次々 に生起する一義的な正解の存在しない諸問題について、学際的な視点で考え、 多様な見解を持つ他者との対話を通して自身の考えを深めていく力が学生た ちに求められている今、教育における人文・社会科学の軽視は、大学教育全 体を底の浅いものにしかねないことに注意しなければならない。

4.教員養成系学部・大学院の見直しは、とりわけ、18 歳人口の減少という見 通しと関連するものと思われるが、人口動向は教員養成に対する社会的需要 を判断する上で重要な要素のひとつではあるものの、教育の質的向上をいか に進めるかといった他の諸条件も含めた熟慮が必要である。18 歳選挙権の実現ひとつを考えても、高校までの教育の質に対する期待と要請は高まってお り、それを支える教員の質と量については多面的な検討が求められる。ここ でも文系・理系の別はない。現役教員の再教育等の新たなニーズを把握しつ つ、国立大学の教員養成系学部・大学院の質の向上を図り、その上で必要な再 編等に着手するべきである。
5.大学は、教育の場であるとともに研究の場でもある。大学教員は、専門教育と教養教育の両面にわたって教育者としての役割を果たしつつ、研究者として学術の継承と発展の一翼をも担っている。したがって、教育の場において人文・社会科学が軽んじられ、研究者として培ってきた力を生かす場が狭められることがあるとすれば、これから研究者としての道を歩もうとする者の意欲を削ぎ、ひいてはバランスのとれた学術の発展を阻害することになりかねない。
6.一方、人文・社会科学に従事する大学教員は、変化が著しい現代社会の中で人文・社会科学系の学部がどのような人材を養成しようとしているのか、学術全体に対して人文・社会科学分野の学問がどのような役割を果たしうるのかについて、これまで社会に対して十分に説明してこなかったという面があることも否定できない。人文・社会科学に従事する大学教員には、社会の変化と要請を踏まえつつ、自らの内部における対話、自然科学者との対話、社会の各方面との対話を通じて、これらの点についての考究を深め、それを教育と研究の質的な向上に反映するための一層の努力が求められる。
日本学術会議は、先の提言において「大学等が今後も持続的にその役割を担 い続けるためには、適切な大学等の形態やその数も含め、我が国における大学 等のあり方の全体像を検討する時期にあると考えられる」としたうえで、「検 討するに当たっては、大学改革が我が国の将来に多大な影響を及ぼすことを十 分に認識し、長期的な展望、百年の計を持って立案することが強く望まれる」 と指摘した。日本学術会議はこれまで、分野ごとに「大学教育の分野別質保証 のための教育課程編成上の参照基準」を作成して公表する3など、大学教育のあり方についても発言してきた。さらに現在、「学術振興の観点から国立大学の 教育研究と国による支援のあり方を考える検討委員会」を設け、審議を行って いるところである4。特に、この審議を通じて、人口減少社会、国家財政の再建 の必要等の現下の課題と国公私立大学の役割分担についての考察を踏まえた大 学のあり方に関する考えを提示する所存である。

2015 年7月 23 日 日本学術会議幹事会
会長 副会長
同 第一部長
同 副部長 同 幹事 同 幹事
第二部長
 同 副部長
 同 幹事
 同 幹事
第三部長
 同 副部長
 同 幹事
 同 幹事
大西  隆
向井  千秋
井野瀬 久美惠
花木  啓祐
小森田 秋夫
杉田  敦
小松  久男
恒吉  僚子
長野  哲雄
大政  謙次
石川  冬木
福田  裕穂
相原  博昭
土井  美和子
大野  英男
川合  眞紀

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1 文部科学省資料 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/062/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/06/16/1358924_
2 3_1.pdf 日本学術会議資料
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t209-1.pdf
3 日本学術会議報告一覧(「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準」に関するものも随時掲載) http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-16.html
4 「学術振興の観点から国立大学の教育研究と国による支援のあり方を考える検討委員会」構成員、開催状況等 http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kokudaikyoiku/kokudaikyoiku.html

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